2017-08-11

前向きを信じる気持ちが他人の力になり、自分を救う

みなさま、お元気ですか?

奈良の日々について色々書きたいと思っているものの、
アルツ型認知症の祖母と、普通に老衰している祖父の自宅介護の関係で
目が離せず、なかなか更新できないでおります。

が、今日は母親が見てくれているので、書いてみようと思います。

祖母は今、普通にしている分には身の回りのことができる(自分で食べたり、服を着替えたり)良い子なのですが、
本を読んだり、テレビを見ても内容が頭に残らないようなのと、物事を理解することができません。
早朝に起きて、私や母の部屋に入って「子供達は?(居ない)」と聞いたり、怖い夢を見て泣いたり、童話読んで笑ったり、ほぼ子供と変わりません。コントグループのラーメンズをご存知の方は「ネイノーさん」と言うコントがあるのですが、そこに出て来るネイノーさんが自慢したがりの癇癪持ちになったような感じです笑。もちろん、私のことは認知しておらず、姪だと思われていたり、孫と認知しても小学生だと思われて居たり、最悪は近所の人かと思われているようなところがあります。

そして、彼女は少しでも目を離した隙に何かの理由をつけて大阪に行こうとします。

今は無き生家の大阪に帰ろうとしたり、成績自慢の天王寺高校の同窓会と言って見たり、最近はなぜか出てもいないのに大学を卒業したことになっていて、そちらの講師をしているために外出しなくてはならないと(しかも、京大とか東大とか)、朝から化粧をはじめます。

これらは、一般的に認知症が進むと見られる症状のようなのですが、これまでは、ふらっと家の外を徘徊して山に入ったりしてまた戻ってくるという感じだったのが、最近はそういった行動が見られなくなったものの、出て行くときは今までよりも頑なに人の言うことを聞かなくなっています。今までであれば、日中ある程度目を離していても家の中で問題なかったので、
隣のおばちゃんに見守りバイトに来てもらって私も外出したりしていたのですが、最近は外出の決意が固くて、おばちゃんでは制止が効かず、毎回苦労しています。「こんな家に住んでるのは金輪際ごめんやから。実家に帰ります」とか、実家がないことを意識しているときは「大阪に行ってアパート借りて済むわ」と言って、Tシャツとハンドバッグとビニール袋に詰めた家出セットを持って出て行こうとすることもあります。こちらが「心配しているから言ってるねんで」と言っても、怒ってるときは「あんたなんか血が繋がってない赤の他人やねんから、大きな口叩くな」と言ったり、「心配なんか聞いて可笑しいわ!嘘つきと盗人ばっかりや。」と言ったりして、全くこちらのとりなしにも耳を貸しません。

それらを止めるために、台風や雨などの自然でなだめたり、学校が夏休みだからと理由をつけてなだめたり、学校はもう行ってないと説明してなだめたり、人が来るからとなだめたりするものの、次の瞬間にはまた「同窓会に行って来る」の繰り返し。大阪に行くには車に乗って20分ほどかかる最寄り駅まで行くか、30分ほど歩いてバス停に行って一日5本ほどのバスを待って最寄り駅に行くか、タクシーを呼ぶしか無いのですが、車は免許を返上していて乗れないし(理解はしていないが)、タクシー会社には祖母から依頼があっても乗せないでくれと頼んであるのだが、本人は納得できないらしく、車に乗れないことに対してかなり怒る。そして、あらゆる手段を尽くして制止しても、最後の手段として歩いて最寄り駅行きのバス停まで行こうとする。

いくら諭しても聞かないので、腕を掴んで抑えると、私を睨んで持っているハンドバッグで私の身体を殴って来るか、私の腕に爪を深く立てたりする。それでもなんとか怒鳴られながら引きずって連れ戻したと思っても、効力があるのは疲れているその日だけで、次の日になると朝からまた同じことの繰り返し。そして、そうでも無い時にはずっと自分の有る事無い事の自慢話ばかりして近所の人を田舎の人扱いしてイケズを言ったりしている。どうやら一人でいる時に自分の頭の中で色々な武勇伝や表彰のストーリーができていき、それを信じているようだ。なので、一日付き添っていると慣れて居ない私は身内でも耐えがたい。

とにかく、その出て行く問答が半端なく疲れるのと、大気の関係なのか天気が悪くなりそうな時に限ってそういったことをするから、なお困ってしまう。雨でも降って濡れたり、足元すくわれてたりしたらどうしようと言う焦りから、こちらもキツめの言い方になったりする。ちょっと目を離した隙に外に出ていなくなったりすると、近所の人に一緒に探してもらうなど大騒動になることもある。それらを止められるのは、同居人の母か私しかないのだが、母は平日会社員の仕事に出ているし、私もあちこちに出向いてこれから仕事を作っていきたいと思っていたところだったので、外に出られないことが困る。

とは言っても、私が徳島に行っている間にこういった症状がエスカレートして、母親が仕事中に何度も家に戻らざるを得ず、仕事にならないと言う状態だったので、帰宅後は私が外出予定をすべてキャンセルして自宅で張り付くことにした。しかし、これが辛い。毎日家出問答の繰り返しで怒鳴られて爪を立てられてというのと、一日中目を離してはいけないというのに夕方になるともうぐったりで夜に何かする気力もない。そして、今までは家にいても自分のことがある程度やれていたのだが、今はもう昼間に自分の時間も作れない。でも、母親の仕事のためにはしょうがないし、自分でも家のためにそうしたいと思っているので納得はしているのでなんとか一日一日を凌ぐしかない。

そんなこんなで、外に出て動いて人に会っていたい気質の私は、頑張ったものの1週間ですっかり参ってしまって、ストレスも溜まるし、全く外出できないので運動もできず、だけどそれを母にもあまり言えず、平日も休日もなく、自宅で祖母の相手をしながら何か作業しようにもまとまった時間が取れず、日々だるくて、何もやる気がなくなってしまったんです。
いつも夕方に母親が帰ってきて、夕食の準備を手伝って、まろの散歩をして、20時過ぎには祖母が寝て自分の時間になるものの、自分の部屋に入ったら気づいたらそのまま寝ていて夜中の2時に目がさめ、その後はうつらうつらという生活。朝も、ちょっと前までは5時に起きてまろの散歩をしていたのに、最近は起きられずに母親が行ってくれ、野菜にも水をやってくれるので、6時半ごろの起床になってしまうので毎朝起きてから「今日も起きられなかった・・・」と自己嫌悪になる。

母と相談し、市のケアマネージャーの方にご相談したところ、脱走時のセンサーの申請や、認知症に詳しい病院の先生を紹介いただいたりしたのですが、ここ1〜2週間やそこらで解決するような感じでもないため、ここしばらくは私がどっちにせよ家を守って頑張らねばならない。

それなら。

そもそも「家出の欲求の根源を抑える」ことはできないか。
というところに着目しました。

なぜ家出したくなるのか?
それは間違いなく、一人で退屈していてあれこれストーリーを考える時間ができてしまうからだ。
そこで、私がずっとそばにいて話や本を読んだり、お風呂に入れることで気を紛らわせていたら少し家出がおさまった。ただし、そうすると安心であるものの、今度は私の気が休まらないし、自分の時間が全く作れない。

そこで、第二弾としてDVDを見てもらうことにした。それも、ストーリー性の高いものではなく祖母が好きな動物や子供が多く出てきて、声が聞き取れなくても字幕で見られるものにする。そうすると、一昨日は朝から化粧はしていたものの、実際の家出は0回で、かつ一時間ほどは自分の時間がひねり出せた!DVDの内容は、見てもすぐ忘れるので、何度も何度も同じお気に入りのDVDを見てもらっていても問題ない。

さらに考える。

これを私以外の目を増やすことはできないか。
それも、何も理由なくうちに来ることはないから、コミュニティのように環境を作ることはできないか。

というわけで、DVDの鑑賞会を近所の祖母を知るおばちゃん達に家に来てもらって実施することにした。
何もないと来ても楽しくないと思うのだが、幸運にも私を可愛がってくれている方が多く、観賞用のDVDを新しく数種類買ったり、ハーブを使ったヨーグルトシャーベットの作り方を教えてご馳走したり、パソコンの作業の相談に乗ったり、フォトブックの作り方を教えたり、野菜のやり取りをしたり、洋服を見立てたり、話を聞いたりしていたら、自然とみんなが足を家に運んで集まるようになって来て、その間は祖母を囲んでDVD鑑賞会をしてもらったり、お茶飲んでおしゃべり相手になってもらったりして、自分の時間が少し確保できるようになって来た。食料品や日用品を買うためにどうしても外出したい時には、心配して留守番を買って出てくれる方もいて、とてもありがたかった。何より、祖母自身も楽しそうなのが嬉しい。

あとは、知らない人が来て話をしたりすると楽しくて気がまぎれるみたいなので、まだ泊まってもらうことはできないけど、少しお茶しに来てもらえるようにできたら、私も気がまぎれるのでありがたいので、そういった協力のお願いもさせてもらっていきたいと思っている。

なので、どんなに難しそうな状況でも、やれることがないか探すことが大事で、諦めてはいけない。
そしてもう一つ、私がいることで周りの人が元気になってくれるということだ。母親はもちろんだが、遊びに来てくれるおばちゃん達も楽しみがなかったり、家での人間関係の悩みなどがあるみたいで、私の笑顔を見たり話すだけで元気に生きる意欲がでてくる、といつも言ってくれる。たとえ同世代でなくても、価値観が違ってもそれがとても力になるし、嬉しい。

私は、自分が常に新しい場所、新しい人に出会い、新たな自分に前向きに挑戦し続けていくことで、出会った人々が元気になったり、好奇心を持って自分の人生を作っていけるような後押しがしたい。
そして、いろんな夢を持つ人と一緒に何かコラボしたり、人の輪を豊かに繋いでいける存在になりたいし、そんなコミュニティをこの場所に作っていきたい。都市の人も地域の人も、日本の人も海外の人も、元気な人も疲れている人も関係なく、旅を通して出会うこと、興味を持つこと、学ぶこと、やってみること、面白がることで、世界と自分との接点をどんどん増やして、生きることをもっと前向きで面白くしていきたい。

写真はお家の井戸で名水が出ます笑。
水を飲むように色々なことを吸収し、もっと楽しくたくましく生きられるように今できることを思案しつつも、大和時間を大切にして人生を「万事塞翁が馬」と捉え、不安や苦心、喜びも一時的なものとして長い目で勝負していけるような広い度量と我慢強さを培えるようにしていきたいと思います。

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