2017年11月イラン渡航準備編:厳格イスラム教シーア派国の服装に悩む
イラン旅について、ビザの問題、インターネットの問題とクリアしてきましたが、一番未知だったのが服装!
今までのイスラム圏は、イスラームと言ってもそれほど厳格では無い国ばかりで、トルコ、ウズベキスタン、新疆ウイグル自治区、ドバイ、アブダビと、旅行者は旅行者の服装で問題ありませんでした。モスクに入る時ぐらいに、ヒジャブと呼ばれるスカーフをすればいいくらいのゆるさです。
ムスリムの女性の服装
しかし、サウジアラビアとイランは特に厳格なイスラム教国なので、どちらも基本的に黒い布を全身にかぶる「チャードル」というものを女性は着ています。スンニ派大国サウジアラビアにおいては、顔も覆い目だけしか見えていません。シーア派国のイランでは、髪を隠して顔だけを出す形です。
まさに、先日ご紹介した文献のイラン・ペルシア日記の表紙のような感じ。
【旅】イランの何がそんなに面白いんだと思う人へ〜イラン取説〜
わからないのが、「2017年11月の今この時点で、どれぐらい厳しいのか」ということ。
一昔前であればコミテと呼ばれる風紀警察がおり、前髪を出していたり、アメリカ系の服装をしていると指導されたり連行されたりするという恐ろしいことがありました。旅行者でさえ、中途半端なかぶり方をしているとチリはたきのようなもので肩をチョンチョンと叩かれ、恐ろしい顔をしたおばさんに注意されるというのです。今は、かなり欧米協調路線で開けてきてはいるみたいで、以下のような警察を挑発するような緩い格好をした女性も見かけるという記事もちらほらありました。
イランにもいるギャル系・おしゃれ女子 風紀警察と駆け引き – withnews(ウィズニュース)
とはいえ、余計な注意を引かないためには、私もきっと黒い服装をしていなきゃいけないんだろうなという気はするものの、、、、黒い服? 持ってないない!
宗教警察への対策
去年一人でイランに行った友人からは、コミテは今はほとんど厳しくないが、やはり女性肌の露出は絶対ダメで、スカーフは必須(ただし黒でなくても頭を覆ってさえいれば良いとのこと)、パンツもぴったりしたものは避けたほうが良くて、できれば太ももあたりまで隠れる長めの上着を着るか、ムスリムコートと呼ばれる丈の長い暗めの色のシンプルコートを着ることを推奨された。
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーん・・・。 悩ましい。 そんなもん持ってないし、さらに砂漠の国なので寒暖差が激しい。夜は着込むからまだいいとして、昼間は11月前半でも30度近くあるので暑くてたまらないはずだ。一体どんな服装していけばいいんだ。。
とりあえず、ヒジャブ的なものを用意せねば。暑いから薄いショールを代わりに使いたいのだが、髪の毛が透けたらまずいかな。。ちなみに、イランでは女学生などは「マグナエ」と呼ばれる頭、首、肩をすっぽり覆う布を頭からかぶっていることが多い。大人になると、ヒジャブ(イスラーム風の大判スカーフ)の人も多く見られる。
そんな時に、ユニクロでヒジャブがとても売れているというではないか!!!確かに、急湿速乾なら暑い日中の頭もムレにくい。素晴らしいな、ユニクロ。ちなみに、ユニクロは別のみどりちゃんが社員さんで詳しいので、教えてもらう。
すごい、エアリズムなヒジャブなんて神様みたいではないか。黒いのを早速購入。
それを下地にして、頭に巻くのは前回ウズベキスタンで購入したパシュミナの偽物で5ドルで購入したブルーのアラベスク模様ストール。
うん、ウィッグ被ってるみたいだw
頭はこれでいいとして、体はどうしよう。日中は絶対暑いから文句言われない程度で一番薄着になりたい・・・。
これだー!!! 今までロングTシャツなんて買ったことないが、このために黒とピンクの二枚を購入しました。(イランのだいたいの女性が黒い服装をしていたため、これとジーンズの組み合わせで素晴らしく快適に過ごせた。しかしピンクは目立ちすぎて使いづらい。結局黒を何度か洗って使って、ピンクはパジャマにしたので黒を二枚買えばよかった。) ゆったり目で長袖、太ももぐらいまで隠れるものがベストです。
しかし、ヒジャブも黒、ワンピースも黒、ジーンズも黒だと、全身なんというか、もじもじくんみたいで切なくなるので、ジーンズは普通のデニムカラーにした。これは特に問題なかった。
さて、問題は上着だ。イスラムコートなんて持ってないし、ダークカラーの薄手のコートも持っていない。かと言って、グリーンのトレンチを持っていくのも重いし、なんだか恥ずかしい。そこで、もう一度ユニクロに頼ってみることにした。
これ、の、ブラックをどうしても色的に買えなくて、好きな色のネイビーでも良かろうということでネイビーにしたのですが、正直この旅ではほとんど使いませんでした。かなりのシャリシャリ感が苦手だったのと、もう一枚持っていたウルトラライトダウンを着れば割と事足りたことと、実際にイランに行って見たら腰丈でもジーンズを履いていたら怒られなかったこともあり、使う機会がなかったのです。あと、やっぱり買うなら黒がなじむのでよかった。一緒に旅に行った友人たちは薄手で軽い黒コートを持っていてフル活用していたので、現地人に馴染んでいました。黒でなければならないわけではないものの、現地人に馴染むものを持っていくなら、やはり黒コートが無難だと思います。(黒コートがあれば、下に半袖とか来ていても怒られないので便利ではあります)
いずれにせよ、ユニクロさん、多大なるお世話になっております。私の二本持っていたジーンズもどちらもユニクロさんので、伸縮性もあり心地よく快適でございました。
そして、女性への助言としては装飾具は持っていかない方が良いです。イヤリングをつける場所もなければ、ネックレスもヒジャブで隠れるのでほとんど目立ちません。ただし、指輪とサングラスは原地男性の虫避けとして持っていくことを推奨しますが、それくらいかなあ。
黒のヒートテックも何度か防寒として下に着たり、袖がないワンピースの肌を隠すために着たりして役立ちました。袖は最低限でも7分はないとダメなので注意。
ちなみに、チャードルやマグナエはイランで購入することもできるので、最悪フード付きのパーカーを持って行って初日にバザールで購入するとかでも良いと思います。私たちもお店でお揃いのマグナエを購入した。
シーラーズのバザールにあったマグナエショップ。なぜか店員さんがお兄さんたちで、彼らに被り方を教わる笑。
マグナエと伝統衣装。
最後に、せっかくなのだから、ヒジャブをかっこ可愛く巻いてオシャレしたい!!!
という思いは女性には必ずあるわけで、顔のパーツが目立つ(特に眉毛)メイクの仕方や、ヒジャブの色々な巻き方を調べて見ました。
【画像】ムスリム女性が被る布”ヒジャブ”が今すごいことに。インドネシアのヒジャブ女子のオシャレが止まらない
異教徒も羨む?ムスリム女性の着こなしが想像以上にハイセンス:イザ!
こんな感じで、色々な巻き方をファッションとしても楽しんでいるのがわかる。
その巻き方に、私たちが大層苦労する話については、また次回に語りたいと思います。