2018-01-19

【BOOK】今「すべてだ」と思っている世界は、実はすべてじゃない。

まさにその通り。

日々そう思って生きているから、自分の知らない世界ともっと繋がりたいし、それをみんなでワクワク共有したい。
だからこそ、ブログタイトルが「古今東西、好奇心の旅」なのだ。

でも。

私の考えて行動していることを、そんなに簡潔に一言で言える人がいるなんて!

しかも、それが「はあちゅう」の本だなんて!!

「しかも」ってなんやねん!、と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、私にとって、「はあちゅう」の本を課題図書として読むことになったのは衝撃的だった。
彼女のことはメディアで知ってはいたが、特別好きでもないし、バッシングしたくなるほど嫌いなわけでもない。コンテンツに惹かれないので、関心そのものがなかったのだ。

そういうわけで、自分から彼女の本を積極的に手に取ることは一生無かったと思う。
しかし、この本を読んで見て彼女に対する見方が変わった。

「自分」を仕事にする生き方/はあちゅう

「見方が変わった」、というよりも「行動への理解ができた」、といった方が正しいかもしれない。
自分をさらけ出すこと、そこに(他人のバイアスがかかった)評価が加わることについて気持ちいいほど腹を括っている。メディアや一部女子に叩かれても傷つくがめげない。それもコンテンツのうちで、話題作りの一つであると割り切っているように感じる。現に、ネットサーフィンをして見たところ、直近でもメディアで叩かれている。話題に事欠かない人だ。

被害者の”はあちゅう氏”はなぜ大炎上したのか。 「事後の対応が本当に下手で、結果どっちもどっち感になってる」吉田豪らがコメント

しかし、それが「自分」を仕事にするという覚悟かもしれない。記事を読んでいると、著書の中で記述があった「気になる人へのやっかみ」ではないが、「はあちゅう」だからこそ必要以上に安心して叩かれている、という感じもする。結局それも「自分」という資本の認知向上のためのメディアや世評利用の一つなので、実際どうあれ、それを登り調子も下り調子もそのまま利用して発信力と知名度の強みにしていけるところがすごい。バッシングを受けたと言ってもどうせ一時的なものにすぎず、最後に自分のやりたいことが達成できてお金になれば良いのだ。それが、「とにかくなんでもやってみて、人前に自分というものを恐れずに出しておくことが大事」というメッセージに現れているように思う。

それは、役者にも通じるものがある。彼らも「酸いも甘いも、自分の人生経験の幅広さが芸の肥やし」というスタンスで、全身全霊で自分の全てをさらけ出している。そしてそのリアリティさに、人は感動し、惹かれる。

問題は、そこまでの「覚悟」を持てるか、ということだ。

私自身も8年ほど素人なお芝居を続けていたので、その自分を見せる大変さはものすごくよくわかる。今でもできているかと言われれば、未だに落ち込んでいる時のネガティブな自分はあまり表には出せない。だけど「覚悟」を持って少しずつ割り切って行けば、その幅広さと起伏の体験そのものが丸ごと財産で面白いものだと気づく。だから、「自分を丸ごと見せる」重要性には非常に共感するし、チャレンジと挫折と成功経験がリアルに見えていればいるほど人間は面白いのだと思う。世の「伝記」本が売れるのもわかる気がする。

とはいえ、何かしらのメディアの電波に乗らなければ「誰」ともわからない人のコンテンツに知らない人が出会えることはまずない。

その意味で、すでにテレビやその他芸能界で有名になっている人が、その世評と知名度を利用しつつ発信力を高めるということは最初からやりやすいことだ。だけど、彼女は最初は一般人からスタートしている。目立つためにはそれなりの「他人とは違う世界=意外性」を見せる必要があり、人がやらない分野やニッチなコンテンツに数多く挑戦してきたのもそういった理由があると思う。それが、「評判を作ることは先行投資。自分のお金と時間を注いで評判を作る」ということである。自分の中身がどうあれ、結果的にそのおかげで「早い段階」で「ブルーオーシャン」な、「自分の理想とする働き方」につながっている。これは生半可な行動と努力でできることではない。

「好きなこと」を「仕事」にできると理想的なのは、このエネルギーとスピードに直結できるからだと痛感した。

はあちゅうの場合は、自分の好きなことや特徴がわかっていて(=自分の性癖を理解している)、それを端的で尖った形でアウトプットすることができ(=自分で自分を効果的に説明する能力)、その裏付けとなる行動資産を作る上で全ての判断を早め、何事にも全身全力の体当たりで飛び込んでいる。そして、それがスルーされたり全身大怪我したりする時もやめることなく淡々と続けて、最終的に仕事として生かせるレベルまで持ってきている。そのサイクルを繰り返しながら、一方で少しずつ先行投資していたお金を回収する(=経費とする)工夫も積み重ねている。

この本を読む中でそれらのエッセンスを踏まえると、「なんて気持ち良く割り切った人なんだろう」と素直に感心してしまった。
かと言って、読み終わって「はあちゅうが好きになったか?」と聞かれても、特に冒頭からの印象は変わっていない(笑)。だけど彼女の「自分を資産にして生きる姿勢と覚悟」にはプロとして非常に尊敬するし、本の中には学びとして実践したいことがたくさんあった。特に「自分の説明を的確にする」というところ、「好きなことを経費にしていく工夫をする」というところ、「素早く判断をする」というところは苦心してばかり。その意味では、自分の中ではなんとなくまとまっていると思っていた「好きなこと」も、他人が聞いてわかりやすくまとまってはいないんだろうなあ、と試しに書き出してみてわかった。その意味で、すごく自分を振り返るのに効果的な良い本だったので、珍しく狭い世界観に捉われていた自分を改めて反省した。

結局、「何かの成果を上げている人のスキル本は、特に好きではなくとも読んでみれば示唆に富んで面白い」ということだ。

なんでもやってみないと面白いかどうかわからないのに、知らない間に経験からその可能性を狭めているのは自分自身かもしれない。今まで以上にもっともっと頭を柔らかく水飴のように溶かして、固定概念にとらわれずに何事にもチャレンジして経験を積んでいきたい。

それが、『「今「すべてだ」と思っている世界は、実はすべてじゃない。』であるし、そうやって前提に捉われずに好奇心を持って日々世界を探求して繋がっていくことが「古今東西、好奇心の旅」のテーマでありたい。

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