2018-10-02

住みよいおうちプロジェクト<ピザ・ナン兼用釜をつくる>その5 もぐらチャレンジとアイデア力

神様、私は一体ナンのために生まれてきたのでしょう!?

いやー、しばらく時間が空いてしまった。それと言うのもこれと言うのも、そもそもピナ窯の構造が本に書いてある内容から根こそぎ変わってしまう危機にあったからだ。

前回の記事で、本に書いてあることがよくわからないから編集部に電話して見たときのことを書いたと思う。
住みよいおうちプロジェクト<ピザ・ナン兼用釜をつくる>その4

そして、ここでの衝撃的な事実によってタフステン石を使った石窯である必要がなくなったわけで、急遽耐火レンガ窯になったのだった。まずここで、石よりも小さいレンガになることで規格が小さくなる。編集長が言った「40cm」を間口として確保するにはいくつか買い足す必要がある。しかしいくつだ!?というかそもそも何cmの規格の石窯だったのかがわからないので、試算し直すしかない。縦何センチの横何センチのタフステン石を●●個ということで、それは計算すると●●cmだから、縦何センチ横何センチのレンガで割り戻すと●●個必要で、それに合わせて厚みの問題もあるからえーと計算し直して、、、、、

 

ええーーーい、こんな細かいことやっとれんわ!!!

 

だいたいこのサイズでないと困るやつがどこにおるねん。並べてみて、間40cm確保できたら小型の窯にしたらええし、足りなければ買い増したらええだけや!!!といいつつ、これをうまくおっちゃんおばちゃんに誤導が無いように感覚を伝えるにはどうしたらいいか・・(前回の、「窯決まってないのに材料先に買ってしまった」騒動があるので)。

まあ、それは後で考えるとして。

さらに、大谷石を探して見たが、これがまたみつからない。ない。ない。ない。どこにも売っていない。アマゾン、楽天、コメリ、ナフコ、ジョイフル本田、などなど方々手を尽くして探しても、1m四方近くで4〜8cmの厚みのサイズは存在しない。あっても、数十センチ四方だ。しかも原産地は関東。これが一番高価で手に入りにくい。

そこで、母が「近くの知り合いの石材店さんに聞いて見てあげるわ」ということで、聞いてもらったのだが、、、

ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。

よんじゅううううまん!??? この金で既製品の石窯何個買えるねーーーーーーん。

と一瞬頭が爆発しそうになったが、よくよく見てみると単なるエクセル集計ミスであった。
田舎あるあるから気を取り直してじっくり読んで見たら、

16万2千円。

いやいやいや、それでも「値段高すぎ高杉くん」でしょう!?

そんなに値の張る特注ものを、初心者向けとして一般の雑誌の窯作りに使ってるのか!? さらに、石材店のおっちゃんがいうには「そんな薄くて広い面積の大谷石、脆くて扱いにくいしすぐ割れるで!ようそんなん使おうと思うなあ。」

おーのーれー、、、、雑誌めええええ。返す返す腹の立つ。どこが初心者向けで一般的なのか80文字以内で明確に説明してほしいわ!!笑

そして、規格外の大谷石の入手先が決まらぬまま、とはいえ必要なのはずっと先の天板の工程なので、とりあえずここまできたら作りながら考えてみることにした。素材も天板も違う材料で違うサイズ。もう本もへったくれもあったもんじゃない笑。一体何ができるのか!?笑

ナンだけにナンにもできなかったらどうしよう・・・・涙。。。

と悲嘆にくれていたら、隣のおばちゃんが笑顔で「焼きイモはできるで!!」と言った。何万円の焼き芋やねんwww タフステンの代わりのレンガ代なども含めて現時点で買ってきちゃった系の材料費用は6万円。

・・・・・既製品買ったほうが安かったんじゃ・・な・・・い・・・いいいいえ、何も言ってません!!!

自分で試行錯誤することに意義があるのです!非常事態の時に役立つから!(菜園も氷室も投資もECも同じ発想。全ては、物資やエネルギーが遮断される時が来ても最低限人間らしい生活を送れる可能性を高めるためのライフライン)

おっちゃんがしばらく秋祭りの前の庭の剪定で忙しいので(地域では秋祭りにお神輿が通るので庭や道を美しく剪定しておくのが習わし)、先におばちゃんと私で窯をおくために氷室の前に平らな土のスペースを作ることになった。

草を刈り、枝を払い、木の根っこを掘り出し、耕して地面を慣らして斜面を水平にする作業。1時間ほど集中してやる。ピナ窯は、枠の中に耐火コンクリを流し込んで四角い板状の土台を作って場所を固定する必要があるので、この工程は外せない。下に根っこなどがあると、伸びてコンクリが割れやすくなってしまう。

 

△隣の隣のおばちゃんの戦闘服。菜園や土系の仕事をするときはこの出で立ち。ちなみに私より数倍仕事が早くて決断力も早い。齢70を感じさせない仕事を残さない女。家族に近い間柄で、今までの人生で苦労が多かったにも関わらず、多芸多才で、お茶目で、色々介護も含めて助けてもらうことが多くて尊敬してやまない。私もこんな感じのアラセブになりたい。ちなみにピナを作るのは日曜大工が得意で自分でもガレージを作ってしまったりする旦那様。

△枯れた長い蔦を再利用してどこまで地面を慣らすのかだいたいの成果イメージを共有していた。(写真は8割慣らした後)

掘ってると、謎の杭や蔦が色々出てくる。この正方形の杭がやっかいでなかなか抜けない。しかし、ここで穴掘りスキルがあがった私の努力で抜くことに成功する。

△根深く刺さっている杭がいくつもある。

△こんな感じで、ちょっと横の植木側へ避けといて。

だいたいなんとか地面がやわからくなったついでに、この斜面に登る階段の石が雨でずれてしまっていることに気づいたので、陥没しないように空いたスペースに石と土を流し込み、上がりにくくなった場所に作業中に見つけた細長い石を置いて足場を確保する。今できることは今やってしまう。

秋だというのに汗を滴らせて作業をしている時に、ふと隣の氷室のことが気になった。以前の台風で土が被さり、枝と草だらけでドアが開かなくなっていたのだ。ついでに、剪定しきれない周囲の木々の枝が邪魔して視界を遮っている。

「・・・おばちゃん、氷室入りにくいな。」

「そうけ?ほんなら剪定して、土どかしたらいいやん。」

「せやな、また時間見てやるわ。」

「なんかこの後急いでるん?」

「いやー、別に(ちょっとつかれただけで日を改めようかと)」

「それなら、いまやってしまい!! おばちゃん手伝うで。」

「(げっ!!と一瞬思いつつ)そっか!!!ほんならやるわ!!!!」

「やろう!」

「やろう!」

そういうことになった。とにかく彼女といると問答無用で動くので仕事がはかどるのだ。

 

氷室といっても、山の斜面の岩盤に横穴を掘ってドアを取り付けただけなのでこんな感じで、異世界感が強いしつらえになっている。手前の木が多い茂り過ぎて避けながら近寄るのが面倒だし、下草と狭い通路のせいで虫や蛇に気づきにくい。

それがこんな風に。

△ビフォア

△アフター!!

すっきりー!!というのも、入り口の木々をハサミで剪定し(もちろん初めての剪定)、ドアの前に平な木板を埋め込み、そのスペースを作るために両サイドの岸壁を手作業でスコップで削ったからだ。硬かった・・・笑 そしてきちんと四角い板が浮かないように収めるために、板をのせてみてはつっかえるところを拡張することを繰り返す。私が掘って、おばちゃんがブルドーザーのように手袋だけの手で土砂と枝と雑草をかきだして捨てる。

ちなみに、この板はもともとこのスペースに落ちて朽ちていたテーブル台に私が気づき、埋め込むことを思いついたのだ。これなら草が生えにくいし、土を被っても払いやすいので氷室ドアが埋まりにくくなる。

「おばちゃんは仕事が早いか知らんけど、あんたはホンマ、アイデアマンやな!釜の仕組みといい、畑の開墾といい、瓦のおしゃれな再利用といい、通販といい、BBQといい、いつも何か楽しいアイデアを思いついて、自分で試していって最終的に人を巻き込んで実現する力がすごいで!感心するわ!」

と、おばちゃんが褒めてくれてちょっと照れる。。うふふ。マンじゃなくてウーマンだけど。

で、テーブルの周りについていた金具をベリベリを剥がし、そちらはピナ窯設置場所の場所とサイズ感をおっちゃんに伝えるための場ミリに使う。残ったテーブルはこんな感じでセッティング完了。

こんなに遠くからでも、ドアが見えるようにスッキリさせました!こうやってみると、本当にいきなりドアだな。黄泉の国みたいだわ。

氷室の中も見たかったー!!という方は、以前にも氷室ネタを書いているのでこちらを参照くださいませ。氷室のワインと、井戸の清水と、お日様と、多様な可愛いコケたちと、ピナ窯で焼いたピザを一度に楽しめる、まさに極楽なエンタメスペースです。(シカも夜はよく遊びに来ます)

氷室の天然水が詰まって井戸に水がこない。

さて、脱線したものの、ピナ窯はここからが本番!!そして、悩み過ぎて夢にまで出てくる大谷石について、その翌日にとんでもなくジーニアスなアイデアが浮かぶことになるのだった。

我が家ならではの、ウルトラC++な思いつきを知りたい方は次回にご期待!!

あーーー、蔵コレもピナ窯も予算やっぱり厳しいなー。。。けど、すみびらきに向けて楽しく頑張るのだ。
家の裏で平らな広い石をたくさん見つけたので、ここに石畳を作ろうかなあと計画中。

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