2021-06-03

【BOOK】異教の隣人〜日本における多文化を考える〜

海外に行けなくなってから、日本におけるクロスカルチャーのことについて深く考えるようになった。
出歩く機会が制限されてからは、図書館でたくさん本を取り寄せるようになった。

その中で、私の活動にとても近いことをされている本があった。
それは「異教の隣人たちが集う場に身を置くことができる、異教の隣人たちの生の声が聞ける」ことにより、理解を深め、共存を楽しむ企画。本願寺派の住職さんである釈さんと毎日新聞さんが作られた本だ。

異教の隣人


これが面白い。私が既に行った場所もあれば、まだ知らない場所もある。生駒山地が信仰と大小の宗教のメッカのようになっているのは、この本を読んで改めて知った。釈さんがこの連載を始める時に念頭にあったのは、イスラム教だったそう。日本人にとって身近な存在になるものの、知る機会も少ないし、誤解されることも多い。そういった残念な社会環境のなかで、肌感覚での情報を必要としている人は少なくないと感じてきた。そこで、イスラムも含めて、関西エリアで日本では馴染みのない様々な宗教と文化のコミュニティを回って、話を聞こう、ということになったそうだ。宗教への感性を身に着ける、というのはこの国際社会で生きていく上で必須のものなのだが、日本人は「国家神道の罪を自覚」させる欧米の戦後教育によって、骨の髄まで宗教フォービアに侵食されているので、多くの日本人が自分は「無宗教」であると言う。そしていまや「侵食されている」という自覚までが失われている(それは近代や戦後の日本の歴史を教えられていないからであり、その結果関心を持たない人が多いからでもある)。

だからといって、私のようにスピリチュアル女子でなく、特定の宗教信者でもなく、純粋な好奇心からここまでクロスカルチャーな信仰と文化の足跡を辿ろうとするミステリハンターもあまりいない(世界の歴史と文化交流を知れば知るほど俯瞰してみられるようになり、中立の立場になっていく)
。そう言う意味では十分オタクである。

さて、話を元に戻すと、同じ話題でもう一冊気になる本がある。
これはより専門書に近いものだ。


現代の多文化共生社会となりつつある日本において、移民の歴史を知ると言うことはとても意義深い。「移民」と名付けると近代のことを思い浮かべそうだが、古代から日本には多くの国から様々な人々が「渡来人」として住み着き、帰化していった歴史がある。そう言った過去において、文明が栄えた事実を踏まえて、現代に活かしていくヒントを得ることはできないものだろうか。

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