2016-06-10
【ウイグル2016.5】タリム盆地とそれを構成した山々
地勢的にはこうなっております。
三方を囲む7000m級の山々がブロックとなって熱気が抜けないタリム盆地、そしてその大半を占めるタクラマカン砂漠が構成されました。ここもイギリスのスタインが九死に一生を得る経験を経て、初めて「死の砂漠」として欧米に知られるようになった。ちなみに「タクラマカン」はウイグル語で「一度入ったら2度と出られない」という意味であるようだ。 余談だが、同じく中国の砂礫砂漠であるゴビ砂漠の「ゴビ」はモンゴル語で硬い地面を指すらしい。
しかし、そんなタリム盆地には天然資源がと炭酸水が豊富に眠っていて、実は世界から熱いまなざしを受けて開発が急ピッチで進んでいる。中でも油田では、サウジアラビアの半分の量の石油が眠っているそうで、それらの運搬や開発により鉄道や砂漠公路が石油会社によって作られることにより投資や交通が飛躍的に向上した。それにより、中国国内からは気候と緑が素晴らしい北新疆へ、欧米海外からは遺跡や観光資源が多い南新疆への観光客が年々増加しているとのこと。日本人観光客が多いのは、やはり井上靖や司馬遼太郎の敦煌や楼蘭の小説、またはNHKの番組でシルクロード一帯の知名度が比較的高いためだと思われる。あとは歌か。祖父が唯一きちんと歌える(とは言っても冒頭だけだが)「月の~砂漠を~」は、間違いなく優美で旅情を感じさせるものだが、タクラマカン砂漠は違う。旅情なら是非敦煌の鳴沙山に行くことをオススメする。旅の触りとして望み通りの光景が見られるだろう。
しかし、2度言うがタクラマカンは違う。そこは常に生きるか死ぬかの瀬戸際だ。
当にタクラマカンの名の通り。
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