甘い芳香の秘密
スパイスの王様、サフランを作る上で一番難しいことは何か。
それは、「匂い」である。
生薬のような甘い芳香を放つサフラン、これはイランで買った最上級のサフランだ。
それに対して、私が(イランに行っている間に、母達が代理で)収穫して乾燥させたサフランは匂いが弱い。
収穫のタイミングも育て方もきちんと気をつけながら大事に育てたので、見た目はイランで買ったものとほぼ同じ。
なのに、匂いが圧倒的に弱い!!という話を前回書いた。
そこから、「なぜ匂いが違うのか?」ということを割と真面目に考え続けていた。
・乾燥のさせ方が悪い
・保管の仕方が悪い
・球根そのものが悪い
このどれかしか思い当たらない。
まず乾燥のさせ方について検証する。
目次
サフランの乾燥のさせ方
グズグズしていては行けない。花が咲いてすぐの雌しべを収穫し、そのままキッチンペーパーやクッキングシートに広げて日陰干しする。が、日本は高温多湿なので、あまり日陰干しは向いていないようだ。他の人の栽培ブログを読んでいると、クッキングシートに挟んで新聞紙をかぶせてストーブで3時間ほど乾かすなどの人工的な乾燥方法を勧めていた。今回は純粋に縁側で数日干していただけだったので、今度は、私もこちらでやってみようと思う。
サフランの保管の仕方
サフランは、保管にも気を使う。乾燥させたら、瓶のような密閉できる容器にできるだけ早く入れて外気に触れにくくする。そうすることで、これまた高温多湿な日本でカビが生えないようにできるし、香りも飛びにくいとのことである。私は乾燥させてから、日光は避けていたものの普通に外気に晒していたために、もしかしたら香りが少し飛んでしまったのかもしれない。気をつけねば。こちらも次回に試してみようと思う。
サフランの球根そのものの品質
サフランの球根を購入した時には、それほど良し悪しはわからなかった。サフランの見分け方で、観賞用サフランと、有毒のイヌサフランがあることぐらいで、薬用サフランが育てられているからいいや、ぐらいしか思っていなかった。
しかし、これもよくよく調べてみると、球根はできるだけずっしりしたものを選び、できるだけ土中にきちんと埋めて育てるのが良さそうだということがわかった。今回は、お徳用サフランというのをアマゾンで購入したために、それぞれの球根はとても軽かったのでそれも関係しているかもしれない。ただし、これが香りに関与している比率はかなり低いと見ていいだろう。実際に、花も大きな見事なものが咲いたし、雌しべもしっかりしていた。ただ、今後どんどん球根の株分けをしていく中で、できるだけスタートラインとして扱う球根は密度の濃いものがいいということは間違い無いと思う。この辺は春先になって、冬越しをさせた球根達を掘り起こした時に、子供の球根がどうなっているかを改めて確かめたいと思う。
というわけで、色々反省点が残ったものの、昨日パエリアに入れて見たところ大変美味しく、風味もあった。お茶にするにはやはり味が少し薄いように感じるものの、手応えを感じたので来年にはもっと風味と香り豊かなサフランを実現できるように試行錯誤してみようと思っている。
サフランライスとターメリックライスの違いがわからないと言われるのはせつなさすぎるので(どちらもそれぞれ美味しいが全く別物である)、せっかくなのでサフランだけで十分楽しめるお茶ができるよう風味豊かに育てていきたい。