住みよいおうちプロジェクト<ピザ・ナン兼用釜をつくる>その6 天の啓示が降る朝
答えに窮しているときに、ふと、サーーーッと視界が開けることがある。
その思いつきに最初に出会ったのは、なんと母であった。
釜のための土を慣らした翌日の朝、
起きるなり母が出て来て、付いて来いという。
まだ起き抜けの寝ぼけた頭のままで庭に出ると、そのまま母は蔵の物置の方へずんずん歩いていく。
そして蔵の裏側にくると、その壁を指差した。台風の被害のせいか、壁の接着部分のコンクリにヒビが入っていて、壁を保護していた化粧板が一枚剥がれて落ちていた。
やはり近年の台風の威力はすごいなあ。
そう思ったそのとき、私は何かを察知したのであった。
その様子を見ながら、母は私にその大事な一言を告げた。
「・・・ねえ、蔵の壁って何で出来ていると思う?」
会心の一撃とはこのことで、私は興奮して鼻血が出そうになってしまった。そうか!その手があったのか!!!!母ジーニアス!!そして、それで察知した私もジーニアス!!!
ぴょぴょぴょぴょっと思いつきました。
昔は蔵には、大概貴重品をしまうものと相場が決まっており(今ではただの物置ですが)、火災が起きても蔵だけは残るように特別なしつらえをしているものだ。
火に強く、燃えなくて、扱いやすい石。
・・・そう!みなさんもうおわかりですね。
その化粧板が大谷石だったのです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!しかも、あれだけ加工しやすくて割れやすい石の板のくせに、奇跡的に全く割れていない状態で、しかも規格に近い4cmほどの薄型で50cmほどの長方形を保っている。
神様、仏様、ご先祖様!!!ありがとうございます!!
わたしのために板を落としてくださったのですねーーーー。
そして、母もよくこんな場所で発見して思いついたな!!ジーニアス!!
し・か・し、
問題は、大谷石は2枚必要だ。
幸い、1枚目の化粧板は外からあまり目立たない場所が剥がれた。理想的にはその隣の化粧板も一緒に剥がれてくれることなのだが、自分の家の一部に対してそんな不純なことを祈っていいのだろうか、、。と良心の呵責がありながらも、その板にぐらつきがないかどうか確かめてみる私。外からわかりにくかったらいいでしょ、と自己中ですみません笑。
大谷石の出番まではまだもう少し時間があるので、毎日大谷さんにお祈りすることにした私であった。(中高時代も真宗大谷派の学校だったので多分親鸞さんがなんとかしてくださるんじゃないかと期待している。もしそれがダメそうだったらムハンマドさんにもお願いしてみようと思う。)
たかが一枚、されど一枚。
どうかもう一枚、私の手元に無傷で剥がれてくれますように!!!!
ちなみに、こんな感じで剥がれていました。奇跡。