2019-12-26

私を虜にするイエメン料理〜サルタへの愛の賛歌〜

マレーシアにきて思ったのが、本当にたくさんの種類の食事がある。マレー料理はもちろんのこと、インド料理、中華料理、日本料理(やや高め)、そしてアラビック料理だ。

ん? アラビック?

地球の歩き方には「マレーシアと言えば、マレー人、華人、インド人が主な人口を占めており、そのためにそれぞれの料理が楽しめる」と書いてあったけど、アラビック料理店もとっても多かったんですけど!!

アラビックといっても、アラビア半島の南の方のイエメン出身の人が多く、イエメン料理屋さんといった方が正しいかもしれない。イエメンは中世の中東の雰囲気が感じられる素晴らしい国だが、今の国内はサウジ(スンニ派)とイラン(シーア派)の代理戦争とも言われるような長い内戦状態なので、別の国へ移住したり、出稼ぎに行くのだそうだ。語学学校でもイエメン出身の生徒が多かった。

アラビック的な料理というと、串肉やナン、ひよこ豆のコロッケ「ファラフェル」など、美味しいけれど特に目立った特徴もなかったのだが(トルコやペルシアに比べてそれほど好きな料理ではなかった)、イエメン料理に出会ってから全てが変わった。

美味しい!!!!!!! 料理もナンもめっちゃ美味しい!!!!!

すでに先に日本からきていた大学生達も「アラビック料理が美味しい!!!」と言っていて、「ほんまかー???」と思っていたが、食べた瞬間にとてつもなくハマってしまい、ついには毎週通うようになってしまった。それが、イエメンの国民的料理「サルタ(Saltah)」である。

イエメン料理

日本に帰ってきて早速調べてみたが、こんなに何でも揃う国であるにも関わらず、残念ながらイエメン料理が食べられる場所は見つけられなかった。しかし、イエメン料理について記事を書いている日本人は案外多く、「病みつきになる人が続出」ということを認めている。

そんな状況に(おおげさ)にも関わらず、なぜ、日本にはイエメン料理屋さんがないのだろうか。できることなら、店ごと日本に連れて帰りたかったぐらいだ。ぜったいぜったい流行るのに!

そこで、「無いのなら 作ってみようよ ホトトギス」が座右の銘(?)の私は、早速レシピを探してみることにした。

が、

日本語でのレシピはほとんどない。そこで、英語で探してみることに。するといくつか出てきて安心したのだが、そもそも私は重大なことを忘れていた。

そう、石窯が無いのだ!!

おおおおおおお、どうしようー!!!

そんな時にミカドニスタン大臣で、奈良の大人気ゲストハウスのアンドスマイルズホステルのミキさんが、「これで代用できひん?」と、ビビンバの容器(石窯みたいな鉄のやつ)を提供してくれた。

サルタ、、、、、、確かに韓国のビビンバに似ていなくも無い。

と思っていたら、なんとイエメンの人も「韓国のビビンバに似たような感じの料理である」と以下で書いてらっしゃった。
Yemen: Saltah

よし、似ているなら大丈夫であろう!!!
そしてさらに友人がサルタの作り方が日本語で書かれている本を紹介してくれた。さすが海上さん!!海上さんの中東料理の本は大好き💕


この本の中でも「美味しい中東のビビンバ」と紹介されていた笑。

こんなに愛しいサルタで、クラスメートやイエメン出身の友人にも飽きられるほど通い詰めたサルタなのだが、ひとつだけ気に入らないことがある。それは、サルタの上部にかかっている青汁味のとろろのような「ヒルバ」ソースである。

これが涙が出るほど

ま・ず・い!!

のである。もう青臭くって鼻に抜ける匂いが苦手。フェヌグリークを水に漬け込んで、刻んだ香草などとともにフードプロセッサーにかけ、少々水を加えてホイップ状にしたものだ。この薄緑色の不気味なソースを通常は石鍋で煮た肉とトマトスープとジャガイモの上にかけたものがサルタの完成形とされている。このムースが口にあわなさすぎて、毎回レストランで「ホワイトソース抜きで」と注文していたら3回ほど通いだした頃から注文をほぼ覚えてくれるようになった。

数ある美味しいアラビックのお店の中でも、私が最も愛するサルタをだしてくれるお店、サナア。サナアはイエメンの首都である。

サルタはもともと施し用の料理だったようで、家庭の余り物の野菜や肉の食材を鍋で煮込んで貧しい人たちに平パンとともにご馳走していたのが始まりだったそうだ。美味しいものを食べるための工夫がすごい。それがいまでは国民食とまでなっている。また、サルタという言葉は「野菜の混ぜ物」、つまり欧米で言う「サラダ」を意味するらしい。さらに、その言葉はトルコが侵攻してきた際にもたらされたと言われている。そうか、だからイエメン料理は他のアラビック料理と違うんだ。

世界三大料理の一つと称され、さらに私の世界一好きな国であるトルコの食文化を受け継いでいるなんて、そりゃ美味しいに決まっている!!!!

と、いうわけでますます目が離せないサルタですが、ただいま絶賛研究中につき、再現できるようになったら(ならなくても)、ご飯会やりますねー!!!!!

あー、サルタ食べたい。
No Saltah, No lifeだわ。

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