(2018年11月追記)2017年11月イラン渡航準備〜ビザ取得編(郵送)〜
イラン旅。欧米の経済制裁もあり、AirbnbやExpedia、Booking.com、kitchhike、Uberなどの欧米系予約サービス及び国際クレジットカードが使えないことと、イラン国内での通信制限がかかっていること、国内情勢やビザルールが変動的であること、女性の個人旅には厳しい厳格なイスラームシーア派圏であることから、結果的に日本語での最新情報があまりなく、通常の旅のようにはいかないのでたくさん情報蒐集しました。
結論から言うと、最近の欧米協調路線による規制緩和や、英語表記対応の増加もあり、これまでよりは全体的にだいぶ事前の準備がしやすくなっています。(それまでは自力でのホテルの事前予約も厳しかった)
その辺の変わってきていることを含めて、これから個人旅を検討される方のためにご紹介したいと思います。
まず最初に、これがないと始まらない、でも地球の歩き方にも十分な情報が掲載されていないVISA取得の問題から。
イランのVISAを取る前に気をつけたいこと
イランに入国するには2017年11月現在ビザが必要となります。イランに入国するときに気をつける必要があるのがアメリカとイスラエルです。まず、アメリカ政府は2016年1月21日よりビザ免除プログラムの改定及びテロリスト渡航防止法の施行を開始しており、2011年3月1日以降にイラン、イラク、スーダン、リビア、ソマリア、イエメン、シリアに渡航または滞在したことがある者はビザ免除プログラムを利用しての渡米ができません。つまり、以後ESTAが使えなくなり、アメリカビザ(非移民ビザB1orB2)の申請が必要となります。パスポートを更新してもICに履歴が残っており条件は同じなので、私はアメリカに行くのに生涯ビザが必要になったということです。が、非移民ビザは取得代金こそ高いものの、有効期間(滞在期間ではないので注意)が10年ということもあり、2年更新のESTAよりも一度取得してしまえば楽ではないか!と思っています。そもそもアメリカにあまり興味がないっていうのもありますが、南米へのトランジット等だけでもビザが必要になるので申請は今からやっておいたほうが良いと思っています。ですので、全然問題はないものの(そもそもビザ免除プログラム対象外国は毎度ビザを取得する必要がある)、ご留意くださいという内容でした。また、イスラエルに渡航予定または渡航履歴がある人は、敵対するアラブ諸国と同列のイスラム諸国としてイスラエルへの入国が拒否されたり、同じ理由でイランに入国できない可能性がありますので、旅程などには十分ご配慮ください。(2018年3月追記:なお、一緒にイランに行った友人がこの後に出張でアメリカに行きましたが、観光ビザの申請や実際の入国に関しても特に何も問題なかったそうです。)
イランのビザの種類と最新の簡単な取得方法
さて、イランに旅行するために有効なビザの種類は2つで、一つは事前に日本の東京にあるイラン大使館に申請を出す15日間MAXの「観光ビザ」。そして、もう一つはイラン入国時に空港で申請取得する「アライバルビザ」です。今までのイラン渡航者の方々のブログを読んだり、地球の歩き方を読む限りは、事前申請型の「観光ビザ」は、政府の招聘コードが必要となり、それを取得するためにイラン側の知人や旅行会社やホテルに招聘状を書いてもらう必要がありました。というわけで、イラン現地旅行会社がビザ取得代行サービスをビジネスとしてやっていたりしていて、そこを頼るが故に従来のビザ取得よりも高くつくことから、リスクはあるけど「アライバルビザ」で取ったほうが早くて便利だ、ということで旅行ブログの多くで「アライバルビザ」の取り方を説明していました。これなら、確かにふらり放浪旅で海外にすでに滞在しているときにイランに行くことになった場合などは、現地大使館とのやりとりのタイムロスがなく有効かもしれない。しかし、「アライバルビザ」の場合は空港で取得するために何時間も待たされたり、イランの斡旋する旅行保険に入らされたり、発行手数料を取られたりするため、旅行会社の代行取得ほど高くなくても、やはり合計1万円弱はかかってしまう。そして何より場合によっては現地に来ていながら発行してもらえず入国できない可能性もあります。そこで、改めて友人が10月にイラン大使館のホームページを調べてくれたところ、規制緩和があったようでイラン大使館ホームページ内の招聘コードの申請フォームはクローズされており、ビザ申請に必要なものは申請用紙(イラン大使館のホームページからpdfをダウンロード、印刷して必要事項を記入したもの)、顔写真(3.5cm×4.5cm/メガネ着用不可)2枚、パスポート、パスポートのコピー(顔写真ページ)、申請料(2017年9月25日より2700円)の5つのみとなっていました。そして、平日日中に大使館に行けなくても郵送にも応じてくれる上、緊急申請(24時間以内の発行:4100円)にしなくても一週間程度で戻してくれます。私も10月下旬に郵送で申請を出した際に、発送用も返信用も封筒を全て速達(エクスパック)にした上で通常申請をしました。するとちゃんと1週間で到着しました。11月頭に渡航するのにパスポートも同封していたので、かなりドキドキしましたが問題なく戻って来ました。
【2018年10月にイラン・イスラム大使館でのビザ発給プロセスに少し変更があったので追記】
2018年10月から、上記のプロセスの前にVISA GRANT NOTICE(VISA発給許可証)をこちらのWEBから取得した上で、e-mailで送られてくる許可証を領事館に行く際に共に提出する必要があります。(要するに手間と書式が一つ増えた)
が、
正直、許可証の添付がなくてもそのまま東京の領事官で処理してくれることが多いようです。(前回も記載しましたが、イラン・イスラム共和国大使館のHPは不安定で、申請フォームも写真データがうまく反映されなかったり色々うまくいかないことが多いので、物理的に準備がしにくいのと、結局大使館に行って書式申請する手間は変わらないので、持ち込みであれば提出時に言えば先方にてすぐに発給許可証を取ってくれるようです)ですので、郵送の方はご留意くださいという感じです。(手間増やす割に、ゆるいなあ笑 本当にVISA申請プロセスはコロコロ変わるので、その都度大使館HPをご確認ください。)
結論、現状ではイランへのビザ取得はアライバルでも、旅行会社への委託でもなく、自分でイラン大使館に申請して二週間程度の余裕を持って事前に取得申請する方法が一番安くて簡単で早くて確実でした。そして、招聘コードのために無理に現地に知人を作ったり偽ったりする必要もありませんでした!(東京側で直接大使館に行って申請をした友人によると「書式提出時の職員からのヒアリングに対して、書式で招聘コードがいると思いこんで架空の知人を作ったり、現地の旅行会社を勝手に友人にしたりして申告していた大学生達がいて、バレて大使館職員に厳しく怒られてた。」そうです。 )書式(ビザアプリケーション)に書く、「これまでの渡航歴の国々」も余計な心配はせず、正直に申告しましょう。
日本国籍保有者は、たったの2700円!なんで気づかなかったんだろう。オーソドックスなやり方が普通に一番良いのに、私を含めてほとんどの人が気づいていなかったこの奇跡。
ちなみに、イランイスラム共和国大使館のHPは不安定だったり重かったりしてよくアクセスできないことがあります。さらに、サイト動線がわかりづらくてサイトマップを見ないと観光ビザの取得申請ページが出て来ませんのでご注意ください。わからないことは気軽に大使館に電話すれば教えてもらえますよ!
在京イラン・イスラム共和国大使館 – 観光ビザ-Tourist Visa
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