2018-09-11

住みよいおうちプロジェクト<カビサビの靴・バッグをメンテナンス>

カビて錆びている皮のバッグや靴がいろいろ見つかったので、インターネットで色々調べながらできるだけメンテしてみた。

例えば、こーゆーの。

まず、汚れているからカビが生えているからといって皮の表面を水で拭いてはいけない。絞ったタオルでもNGだ。下手をすると水シミが色濃く残ってしまう。最初に乾いたタオルで表面を綺麗にすることから始める。ただし、皮がすでに乾燥していたり痛んでいたりするので強くこすってはいけない。優しくする。

ざっくり表面の汚れが落ちたら、汚れとカビを落とす。この時に使うのをオススメするものが3種類ある。

①革のカビや汚れを落として手入れをする

1)重曹(表面的な汚れ落とし)
重曹:水=3:1ぐらいの割合で溶かして重曹ペーストを作る。そのペーストを皮の表面に塗り、柔らかい布で優しくこすりながら拭き取る。これがまあ驚異的な威力で、カビ取りと臭い消しと金属のサビ取りに役に立つ。カビ臭くなっている中で、この消臭効果はありがたい。お茶パックに重曹の粉をいれて臭い消し袋としてカバンや靴に忍ばせておくのも良い。重曹は無敵。ただし、皮の表面が残り粉で白っぽくなったり、スエード生地などには合わないので注意。身体に優しい弱アルカリ性なのでかぶれたりすることもほぼない。他にも重曹は様々な場所で活躍するお掃除グッズなので、酸性のクエン酸とともに常備していて損はない。認知症の高齢者の介護の時にもこのセットが必ず家の役に立つのだ。

カビ汚れだけを中心に落として対策したい場合は、このモールドスプレーもオススメだ。落とすだけでなく、カビの予防もしてくれるのでありがたい。カビは、一度生やしてしまうと表面を綺麗にしてもなかなか消えず、再発しやすい。直接皮に吹きかけるよりも、布に染み込ませて拭くのが皮に馴染みやすいように思う。

2)サフィール リムーバー(しつこい汚れ落とし)
重曹でほぼほとんどの汚れやカビは落ちるが、しつこい汚れや落ちないカビにはサフィールのリムーバーがオススメだ。協力な分、皮革への負担も大きいが、革製品クリーニングの最後の砦のような存在だ。とりあえず「もうだめ!」と思ったら、神頼みの代わりにこれを使ってみることだ。ほとんどのものが落ちる。(といいつつ、アイグナーのバッグには残念ながら効かなかった。綺麗になったが、長い間皮革に染み込んだ黒カビのシミは落ちなかった。)

これが最強。サフィールはエルメスの修繕などに使われている老舗メーカーらしいので、何かと安心。ただしどの皮にも合うとは限らないので、必ず事前にカバンの底や靴の裏などでテストしてシミにならないことを確認してから使用してほしい。あと、効果が高い分、劇薬的に匂いが強烈でかつ有毒なので使用する時には必ず手袋をした上で風通しの良い場所で作業することをオススメする。

靴の場合、全体的に酷く汚れたりカビたりしていると靴を丸洗いするという選択肢もある。通常、革靴は水は点滴で丸洗いなんてもってのほかなのだが、「サドルソープ」を使用すると綺麗になることが多い。

オススメはkiwiのサドルソープ。しかしなぜかアマゾンではめちゃくちゃ高い。

そこで、これに関してはebayで購入することをお勧めする。送料がほぼかからず、1000円近くで購入することができる。
Kiwi 109011 Saddle Soap 3-1/8oz 88g Cleans Softens and Preserves Leather | eBay
こういった海外の商品についてはアマゾンよりもebayで探した方が安い場合も多いのでうまく使い分けられると良いと思う。

3)ラナパー(汚れ落とし&栄養クリーム)
それほどカビやしみがない場合、またカビ・シミの除去をした後の栄養補給としてこれを使用する。リムーバーや重曹は汚れを落とす代わりに皮の水分や栄養まで落としてしまうので、ケアが必要なのだ。メイク落としと洗顔をした後に、化粧水と乳液を補給するようなイメージである。その意味で個人的に使いやすいのがラナパーだ。革を柔らかくしてひび割れから革を守り、汚れを落として明るいツヤを出し、撥水効果で雨から守り、カビを生えにくくしてくれる万能クリーム。さらにすごいことに、ラナパーを使って相性がよかった革が比較的多い。初心者にもすっごく使いやすい。家庭に一個ラナパーがほしい笑。それぐらいオススメ。ただし、スエードの起毛面やビトンのような合皮の表面には使用できないので注意してほしい。(シミになったり、ベッタベタの手触りになったりしてしまう)

4)乾拭き・ブラッシング
余計なクリームが残っているとカビの元になってしまうので、乾いた柔らかい布で乾拭きする。拭くことで艶が生まれ、よりピカピカになる。

6)防水スプレーをかける
最後は好みではあるが、防水スプレーをかけておくと汚れにくいし、痛みにくい。靴を綺麗にしてからかけること。

7)日陰で干す
最後は消臭や滅菌の意味もかねて、天気の良い日に日陰で干す。これで最大限カビや汚れは再発しにくくなる。

②金具を綺麗にする(カバンの場合)

金具は色々試行錯誤した結果、以下のものを常備することにした。

1)錆びついて動かない金属ジッパーやチャックの修理

錆びついてチャックがおりなくなったスエードのブーツ。

このチャックを動かすために出動するのが551、、、ではなく556である。

呉工業 556

これはすごい。細かいところにも噴射できるようにストローのような管が付いていてスプレーの先端に取り付けることができる。ただ、いくら556でも直接チャックに吹きかけたら周りの皮の部分に液が付いてシミになってしまうかもしれないので、先に綿棒を用意してそこに噴射しておく。
液がついた綿棒をチャックの口部分、またチャックの先の金具部分に塗りつけ、そのあとはひたすらチャックの端をもってガシガシガシガシ動かし続けてみる。そうすると最初はビクともしなかったチャックが、徐々に動くようになってくる。この作業をひたすら繰り返し、少しずつ距離を稼ぎながら最後までチャックが開くようになればOKだ。他にもスーツケースのゴロゴロ部分が軋むようになってきたら油をさす代わりに556を指すとスムーズに動く。

こんな具合に。

2)錆びついた金具をピカピカに磨く
これも、重曹である程度は美しくなる。しかし、サビが取れにくかったり、もっときちんと磨きたい場合はこちらを使うと良い。

ピカール(ネリ)

おなじみ液体缶のピカールの固形版である。液体だと液垂れしたり、均等に濡れなかったりすることもあるが、このピカールネリだとその心配はないし、なにせピッカピカになる。ネーミングまた素晴らしい笑。研磨剤なのでメッキ系には向いていないが、面白いぐらいになんでも綺麗になるし、なぜか缶がおしゃれ。ぜひ使ってみてほしい。

これで大概のものはなんでも綺麗になる。スエードの場合はやわらかい歯ブラシなどで表面をくしけずることで汚れを落とすようにしてくださいませ。

すると、最終的にこーゆー感じに。

前回のブログでも書いたが、メンテナンスにかかる時間は大切で、その作業の手間暇の間に見えることがたくさんある気がする。ああ、こうやって祖母との時間を共有しているんだな、と思うことも多い。そしてまた、それが誰かの手に渡って新たな思い出を作ることになると思うと、そのご縁に関われることがなんだか嬉しい気もするのである。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
関連記事
error: Content is protected !!