【2018年10月】タタールスタンの歩き方2〜タタールスタンの首都カザンに行く〜
中国南方航空に対しての評価は人によって分かれる。以前に新疆ウイグル自治区に行った時にも同じ航空会社に載ったが、機体が古いことを除いては特に不満はなかった。飛行機の着陸時に何気なく振り返るとキャビンアテンダントのごついスーツケースがものすごい勢いで通路を滑って行った恐ろしさや、モニターがついていなくて映画が見られないなど不便なこともあったが、なにせ乗っている時間もそれほど長くないので気にならなかったのだ。
しかし、今回は前回と同じ広州乗り継ぎでも後半の広州ーモスクワ間は10時間あるのでモニターがついているといいなあと思っていたら、なんとついていた!映画のラインナップは不思議な感じであったが、おかげで退屈することなくフライトを楽しめた。
このフライト、日本人には安くて大人気。セール時などは往復でも3万円ちょっとでいけることもある。モスクワまで飛んでしまえば、そこからサンクトペテルブルクへはロシアの新幹線であるサプサン号のエコノミークラス(2500円程度)で行けて、さらにそこからフィンランドのヘルシンキにそのまま鉄道でいけるので、ビザさえきちんと用意していれば変に北欧の高い航空券買って入るよりもかなり旅費を抑えることができる。
ちなみに、機内食は関空ー広州間は美味しいが、広州ーロシア間は本当に美味しくないので覚悟しておいたほうがいい。広州は中国南方航空のお膝元であるのだが、麺が食べられるところがあるので今回もパーコー麺と豆乳を注文。これで千円ちょっとだから、高いのは高いが空港価格にしては悪くない。卵が上に乗っているのがまた良いのだ。(友人が言っていたが、日本と広州の卵の色が全然違う)
目次
シェレメチェボ空港で入国手続きと両替
これがもう最大の最悪だったのだが、渡航前にインターネットで両替について調べていたら「日本は料率が悪いので絶対現地に行ってから両替した方が良い」と描いてあったので、アジア系の航空会社が乗り入れをしているシェレメチェボ国際空港*でまず200ドルほど両替をしたのだ。
(*モスクワには国際空港が3つあって、地域や航空会社によって乗り入れ空港が変わる)
が!!
なんと手数料で8千円ほどもっていかれたのだ。これが、朝でピンピンしている時であれば色々気を回してカザン市内で両替をしたと思うのだが、到着したのが夜遅くで、入国審査も死ぬほど遅くて手際がわるくて、もうヘトヘトになっているときであったのでレートにきっちり頭が回っていなかったのであった。これが後にも先にも最大に失敗したことだった。
今までの経験で、現地空港でここまでひどい手数料をもっていくケースがなかったため、逆に新鮮で驚いてしまった。そして、この後の行程を考えると一気に手持ちのお金が淋しくなってしまったのであった。。。。はあ、せつない。。
弱り目に祟り目とは言うが、がっかりしたところに加えて空港側のホテルへのシャトルバスへも乗り遅れ(他のホテルと乗合をしているために気づかなかった)、寒空の下でタクシーをかわしながら次のシャトルをまつことに。歩いても15分ぐらいでいける距離なのだが、まだ初日の夜なのでなんとも判断できず、大人しくしていることにした。15分ほど待っていると次のシャトルバスが来て、ホテルまで連れて行ってくれた。ここで最大にありがたかったこととしてはホテルの宿泊代金がすでにカードで引き落とされていたことだった。あーー助かった。
ホテルの部屋に入った後、少しくつろぎはしたのだが、次の日も早かったためにそのまま夢の中へ・・・・・行くはずだった。のだが、友人の苦しそうな大きないびきで眠れずのたうつ。。結局途切れ途切れで寝たものの、起きた時にはすっかり疲れてしまっていた。そしてこれがロシア後半戦の二人の体調に大きく響き、私の悩みともなり、そしてまた二人の旅の助けともなるのであった。本当に色々な経験をすることは大事だと思った。
シェレメチェボ国際空港からカザン国際空港へ
行きの中国南方航空での中国人の多さでも感じたが、ロシアのフライトは基本的に中国人利用客も多いために簡体字とロシア語で併記されている。英語がない場合もあるので不便だが、中国語を読むとなんとなく雰囲気でわかるのでありがたい。
タイムテーブル
カザン行きの看板とおじさん。いい味出している。
モスクワからカザンまではロシアのメイン航空会社アエロフロートを初利用。ジェイムズくんの悪夢に晒されるかと思いきや(わからない方は「エロイカより愛を込めて ジェイムズくん」を検索)、意外とおしゃれで快適。軽食に出たチーズ入りサンドイッチもしっかりした歯ごたえがあって、まるで冷たくないアイスモナカを食べているようで美味しかった。ロシア語さっぱりわからんけど、こんなに便利なのなら全然良いではないか!
あっちにもこっちにも、アエロフロートの機体たち。
アエロフロート機体内部
軽食のサンドイッチ。色使いが可愛い。
カザン国際空港
空港の荷物カウンター。
カウンターのそばには市内へのアエロエクスプレスの券売機が設置されている。(次発の列車までの時間がカウントダウンされているので、一瞬爆弾かと思ってしまう)
カザンの鉄道
起点となるのは南25kmほどにあるカザン空港駅である(本図では方向のみ記載)。空港からは、1日に8本ほどの頻度でアエロエクスプレスが市内のカザン1駅まで出ている。現時点でのタイムテーブルはこうなっている。
1)カザン空港からカザン1駅行き(発着)
06:35→07:03
08:50→09:18
11:30→11:58
13:20→13:48
17:15→17:43
18:53→19:21
20:40→21:10
22:35→23:04
2)カザン1駅からカザン空港行き(発着)
07:40→08:08
09:40→10:08
12:25→12:53
14:45→15:13
18:05→18:33
19:45→20:13
21:40→22:08
00:05→00:33
*全列車、土日を含め毎日運行
そして、無事にカザンの空港の到着ロビーに出ると、タタールスタンの観光案内所があったので情報収拾に行って見た。お姉さんは英語はあまり得意ではないみたいだったが、なんとかコミュニケーションを取りながら、これから行く首都のカザンから日帰りの現地ツアーがあることを聞いた。もともと予定していたカザンの1日ツアーは日程があわなかったが、水曜日にボルガルへ行く1日ツアーがあるという。この場所では受付はできないので(観光案内所なのになぜだ!?)カザン市内の中心街の大きな観光案内所まで行って予約する必要があるとのことだった。
カザンの案内所。観光地化を目指している割に英語の情報がほぼ見当たらないという奇跡。
不便!とは思いつつも、自力では高額のタクシーチャーターをしなければたどり着けない郊外のボルガル遺跡に連れて行ってもらえるだけでもありがたい。悩んでいたら、電話番号を教えてくれて、詳細は直接観光案内所に聞けと言われた。案内所の場所もよくわかっていないので、とりあえず電話番号を受け取り、カザンのホテルにチェックインしてから観光がてら案内所に行くことにした。
そのときの私は、お目当のクル・シャーリフモスクに会いに行くことだけでいっぱいで、その後観光案内所のお姉さんにまさかの断られたり、地元民のお兄さんにとんでもなく振り回されることになるとは思いもよらなかった。ロシアって本当にわけわからなくて面白い。
つづくw