2019-02-20

【イベント報告】シルクロード辺境遊学@Mirai Tokyo(田端)

東京での二日目はシルクロード辺境遊学というイベントをやらせてもらった。

どんなイベントだったかというと、私の動画の師匠である家子先生と、こういう話題の対談をして、そのあと辺境にゆかりのある食べ物を持ち寄って談笑するというものだ。

「わたし、イブン・バットゥータのような人になりたい。」

と思い始めたのはいつ頃だっただろうか。

彼の30年間のイスラーム圏を中心とする世界中の辺境を歩き回った旅について他人が聞き書きをした書、uḥfat al-naẓār fī ġarāʾib al-ʾamṣār wa-ʿaǧāʾib al-ʾasfār, 『諸都市の新奇さと旅の驚異に関する観察者たちへの贈り物』は、14世紀の世界情勢や生活習慣を知る上で当時世界的なベストセラーとなった。この本の名前にまずシビれる。「観察者への贈り物」という言い方が、聞き書き書らしく「微妙にあやふやでセンシティブで文字に落としにくいけどきっと役に立ちそうな内容」というのが伝わる表現で、私の冒険心をくすぐるのだ。この書は簡略化して「リフラ」(巡礼旅行記)ともよばれている(その名前がお気に入りすぎていつか自分が起業するようなことがあった場合は絶対リフラという名前にしようとおもっている)。他の人がバットゥータの長い長い旅と巡礼の記憶を一つ一つ引き出してまとめ書きした旅行記であるがゆえに、不確かなことや想像が混ざってしまったりしている。そういう適度なゆるさ加減にちょっぴり冒険ファンタジー感が相まって、ますます魅力的に感じるのだ。

私も自分の旅に対してそんな「観察者へのユルい贈り物」がしたい!!!私よりも数多くイスラーム文化圏やシルクロードの旅をしている人は間違いなく星の数ほど存在するが、私のように普通の人で私ほど旅立つ前にマニアックに情報収集をし、現地の知り合いを作る努力をしたり、多くの歴史文化を納得するまで調べ、現地を実際に歩き、帰国してからも写真や映像、イベントなどでその魅力や情報を積極的に発信している人にはまだ数える程度しか会ったことがない。

と思い立ち、私のトルコから始まった13年のイスラーム文化圏を中心とする辺境の探求旅を通じて学んだ世界関係、広がった見識、歴史文化のつながり、バザールの商いの交渉、辺境を快適に過ごすための旅の処世術や知恵などを「遊学」という形で、今の私という人間ができるまで得た学びをざっくりまとめてみることにしました。はい、もちろん文字にバシッと残しにくいことばかりです笑。公に余り拡散したくない旅の知恵だったり、少しセンシティブな物事の裏側の話だったり、記憶に少し自信がなかったり、プライベートなことだったり、自身の文化的解釈だったり。

そして私にとっての「辺境」は、単に「滅多に行かない場所」という以上に「文化混交の最前線(フロンティア)」という意味合いが大きいです。大都市国家の移民地区、イスラーム文化圏、飛鳥時代の奈良など、あらゆる場所にフロンティアが存在する。同一化しない、固定化しない、しかし時に不思議な化学反応で混ざってローカライズすることでもたらす緊張感とイノベーション。落ち着かなくて気持ち悪いからこそ、変わり続けるからこそ、明日を生きぬく柔軟性や物事の見方、未来へつながる歴史文化の造形などが養われる。

時には、奈良での交易旅の拠点作りの話も交えながら、普段はあまり話さない、大いなる旅と生き方のごにょごにょ話をしませんか。

こまったことにですね、、、、10名ほど参加してくださって、しかも懇親会もものすごく盛り上がったのに写真を撮り忘れたのですよ。いや、もう毎回写真を撮り忘れているような気がします。

▲小粒イチジクやら、ヤプラクドルマ(葡萄の葉のドルマ)やら、昨日の残りのバームクーヘンやら色々。

 

▲これ美味しかったなあ。

 

▲羊肉を持参してきてくれて焼いてだしてくれた参加者さんも。激しく美味しかった。

 

トーク内容については、実は最後まで終わらなかった。というのも、旅の持ち物や行程の組み方などで予想以上に盛り上がってしまい、旅先の小話まで追いつかなかったからだ笑。そんな中でも、いつも私のとりとめのない話をきちんとまとめてくれるグラフィックレコーダーのかなちゃんが、今回もびっくりするほどわかりやすくまとめてくれた。

 

かなちゃんが書いてくれたメモ。

 

個人的には「旅をすることで、時間と世界の中に自身が位置する座標軸が定まってくるのを感じる」のくだりがとても大事なポイントだと思っている。

とてもとても楽しい時間を過ごせた。

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