2019-02-13

持ち主の生きた証を未来に生かす、物と心の片付け方

認知症の祖母のものを片付け始めてから1年がたった。
相当な数のものを片付けたし、それ以外にも通帳の整理や、カードの解約など現代では自分が「終活」としてやっておくべきことをいろいろ代わりにやっている。いわば、「家族の終活」だ。

ものが豊富でバブルの時代も経験してきた祖母の持ち物は果てしなく多く、田舎の家だから捨てることもせず、そっくりそのまま年月分の埃とカビをかぶってその場所にどんどん積み上がっていっていた。生半可な気持ちではとうてい作業が進まず、一度やりかけたら数年では終わらないことなどよくわかっていたし、パンドラの箱のようなもので収集がつかなくなる心配もあった。

しかし、飽き性のわたしがここまでなんとかやれた。今では整理を通し、祖母の物置代わりだった離れを人が集まる場所にリノベーションしようとしてお金を貯めている。

果てしなくいろんなことを試行錯誤したので、何から書いたらいいのかわからない。
というわけで、フェイスブックにあげてきたことをネイバーまとめのような感じで時系列に追ってみたいと思う。

きっかけ

きっかけはこれだ。(この記事では、フェイスブックの私の記事のスクリーンショットを多用しているので文字が小さいことはご了承願いたい)。

中は足の踏み場もないほどの物、物、物!!

靴たちとの出会い

最初はブランドの素敵な靴との出会い。しかし、綺麗なくつは半分程度で、残り半分はかかとが崩れていたり、見る目もなく痛んでカビていたり、泣く泣く捨てたものもたくさんあった。

それらがもったいなくて、そして綺麗な靴があまりにも素敵だったので、単に情報を共有するつもりでフェイスブックに投稿した。そしたら、「譲って欲しい!!」という予想外の声がたくさんあがった。

そこからだ。

 

自分はサイズが合わなくて履けないけれど、素敵なデザインの祖母の靴。時代は古くてかなりのヴィンテージだけれども、今も精巧で丁寧な作りの祖母の靴。それらは普通にそのまま買取サイトに出しても「10年以上経っている」というだけで値段がほぼつかないが、人々が喜んでひきとってくれる。さらには自分が見立てたデザインや、見よう見まねで調べながら丁寧にメンテナンスをした靴を、知っている人に丁寧に梱包して送る時のワクワク感、その人が受け取ってものすごく喜んでくれた時の幸福感は何物にも代え難く豊かな気持ちになり、リレーのたすきを渡すような気持ちで祖母の生きた証を次の時代を生きる人たちに託すことができる。

そして、一部の私に残したものを除いて、靴がみんなお嫁に行った。
これに味を占めたわたしは、思い入れのありそうなものはメルカリには出さず、ちょっとした消耗品や時代のもの(買い叩かれてもいいもの)をメルカリにして、そのほかは出来るだけ自分の心が豊かな状態で手放せて同時にリノベのお金も貯まる方法を試行錯誤した。20〜25足程度を扱った。

空から降ってきたカバン

次はかばん。

これがきっかけ。

このシャネルはメルカリに出品したものの、高額商品の取引でありがちな色々裏の世界をみたこともあって、成約しそうだった出品を取り下げ。買取に出すことも検討したのだが、保証となる製品のシリアルナンバーがはっきり見えないからということで返却される。結局ここでも温かい手を差し伸べてくれたのがバブル時代を経験していた友人で、ぜひ欲しいと言ってくれたのでメルカリに出していた値段の1/2ほどの値段でお嫁に出した。それでも、誰だかわからない人に買い叩かれてまた再販されることを思うと、次につなぐことができて、しかも喜んでくれて、ものすごく幸せな気分であった。特にこのシャネルのバッグは、市場価値が全くわかっていなかったので、まずそこからが出発点だった。経年劣化で下がる価値、見た目や状態で下がる価値、製品保証の有無で下がる価値、本来の値段と中古市場(レアかそうではないか)などなど、中古や買取市場においてどういうリスクがあり、どういう目で見ることが大事なのかということをとことん私に教えてくれたバッグだった。

ここから火がついた。

次に悲しかったのが、ルイ・ヴィトンのハンドバッグであった。とっても素敵なツーウェイハンドバッグなのに、見つけた時のそのままでブランディアに出したら0円で返されてしまった。

こんなに素敵なのに悔しい!!

と思って、自分で艶出しなどのメンテナンスをした。ヴィトンは表面加工が特殊なので、それまではヌメッとした感触になっていたのだが、この機会に重曹も動員して匂いやベタつきをなくした。金具もサビサビだったのを、色々インターネットで調べて良い商品を知り、それで徹底的に磨いた。

これで、再度ブランディアに出品したら、約1万円の値段がついた。これはだいぶ気分がスッキリした。あとから別の方に無事に渡ったことも知り、このまま捨てることにならずにすんでよかったなと思う。今思えば、手元に残しておいてもよかったと後悔するぐらいだ笑。

こちらも大変化だ。手入れ前。

手入れ後。

錠前もピカピカにし、皮そのものもカビを取りにおいを消しツヤをだした。これでびっくりするほど価値が変わるのだ。

他にもたくさん試行錯誤をした。
住みよいおうちプロジェクト<カビサビの靴・バッグをメンテナンス>

住みよいおうちプロジェクト<カビサビ修繕:爬虫類バッグ編>

これらにおいても、いくつかはフェイスブックを通じて友人にお嫁に行ったり、買取サイトに出したりした。約30個程度。

全く興味がない競技であるゴルフについて調べる

その次はゴルフグッズである。ゴルフウェア、ゴルフバッグ、ゴルフクラブ、ゴルフボール、ゴルフティー、、、数えばキリがない。まずはひどくカビて錆びて痛んでいるゴルフバッグ20個ほどを車に乗せてリサイクルセンターに捨てた。こればっかりはどこも引き取ってくれないのでしょうがない。ゴルフクラブはしぬほどたくさんあったが、大半がやはりカビサビ状態で、しかも30年ほど前のものがほとんどなので、これも市場価値がほぼない。

そして私は知識もないので、レアなクラブがあったとしてもわからないし、買取サイトで記入が必要なアイアンとかウッドとかいったジャンルも全くわからない。

そこで一から学習することにした。

ここから、どうにも状態が悪いものは金属専門のリサイクル業者にタダ同然で引き渡し、良いものは買取サイトに出品することにして、処分したいものは全て引き払った。

次はゴルフボール。

昔のレディースのボールがたくさん出てきた。こんなの一文にもならない、と友人から言われる。

しかし、あとからあとから出てくる。
こんなバラで汚れたものまで。

普通にメルカリに出品しても全く売れない。。困ったので、FBに上げて使い道を聞いたところ、「ストッキングに入れて足つぼマッサージにしている」というコメントをもらった。それ自体は特に有効なコメントではなかったのだが、私に大いなるヒントを与えてくれたのだ。

それは、「新しい用途を作って提案する」こと。

調べてみると、Sボールは市場価値はないが、付き合いでラウンドしなければならない人が「接待相手や友達の足手まといにならないほど、そこそこ飛距離を出せる」ボールとして使われることがあるそうだった。考えてみると、かつてもそれで女性に売れていたのだった。

それを踏まえて「初心者や女性などうまくないけど飛ばしたい人」向けに書き直したところ、ボールはすぐに売れたのだった。

説明文から私がゴルフに詳しい人のように見えたのか、サイズや定義などの詳細な質問も。

この方はもちろん買ってくださった。(よくわからない細かい質問部分はできる限り調べて回答をしていたおかげで、だいぶ知識もついた。)

最後はゴルフウェアである。

こういったものは、買取サイトが便利なのだが、普通の洋服の買取サイトよりもゴルフウェア専門の買取業者さんを相見積もりした方が比較的高めに購入をしてくれる。

未知の反物

反物はだいぶ苦戦した。本来は着物よりも良い値段がつくはずなのだが、いかんせん積年のカビが染み付いているのでなかなか正絹なのに使い道がない。赤い着物用の反物は、フェイスブックにあげた以下の写真をたまたま前職での先輩がご覧になって、この作家さんの反物ばかりを集められているご友人をご紹介をくださったのでお譲りできた。(その節は大変お世話になりました)しかもとても喜んでくださってこちらも嬉しくなった。残りのじゅばん用の正絹たちは悩ましいので、染め直しをしようとも試みたがあえなく失敗。昔の人はプロ並みに絹を洗うのが上手だったようだが、現代のにわか仕込みの私が本通りにやったところでカビ抜きや染め直しがうまくできるわけはないのだ。

最終的には一点はもらわれていき、もう一点は部分的に切り取って小物用のハギレに使うことになった。

果てしないジャングルのような洋服

洋服は本当に多くて多くて、素晴らしいディテールに感動するのと同じぐらい、その数の多さと保管状態の悪さに見るのも吐きそうなくらいになることもあったし、しばらくは服を買いたいなんて到底思えなかった笑。一時期は、片付けても片付けても後から後から泉のように溢れてくる服の悪夢にも悩まされた。

まず、大量のひどい状態のものをリサイクルゴミへ。

とにかくずっと室内で密閉されていたから、虫食いが多い。虫食いされていないものも積年の匂いが染み付いている。まずは、少量ずつできる範囲で虫干しをして湿気と匂いを取り去ることに。

まだ着られるものは分類して、ダンボールへ。

だいぶ片付いてきた。

しまいには、現物支給でお手伝いさんを募集するまでに。整理した服は、普通のものは自宅で定期的にフリマにしたり無料で友人に譲ったりして、高そうなものは価値を調べて買取業者の見積もりにいくつかサンプルで出してみたりしていた。

しかし、どんなに良い服でも10年以上経つと買取業者には断られてしまう。デザインがよくても生地が素敵でもだ。そんなのもったいない。こんなに創造的で躍動的なデザインや高品質の服なんて、今後二度と見ることができないかもしれないのに。着ると本当にかっこいいのに。

というわけで、ヴィンテージワインならぬ、「蔵出し洋服」という名目でブランドを立ち上げることにした。お蔵コレクション、略して「蔵コレ」だ。聞くだけだと、パリコレと聞こえるに違いない(そんなわけはない)。しかし、当時はパリコレに出品されていてもおかしくないようなヨーロッパの素晴らしいオートクチュールだ。あながち、嘘でもない。

最初はいろんな人に「アホか」と言われたけれど、半年ほどで身内の中では当たり前のような用語として飛び交っている。目指すは流行語大賞だ。

先日遊びに来た友人と、たまたま用事で来た私の家の隣の隣のおばちゃんが、初対面なのに
「これ蔵コレアレンジしたんです」
「いやー、私もこのニット蔵コレやわあ」
という会話を当たり前にしていて新鮮だった。

そんな風になってる現状が面白いと思わないだろうか??

蔵コレを立ち上げたいと思った理由
私が蔵コレをやりたい理由〜片付けではなく、整える〜

さきほども言った通り、価値がわからない買取サイトなどに出しても10年以上のヴィンテージはゴミ同然の扱いをされる。それならば、価値がわかるところに出せばいいのだ。そう、海外である。というわけで、現在の私は越境ECの探求をしている。これが、メルカリレベルに普通に使いこなせるようになり、通関税のイロハなどもわかるようになれば後々他のことにも役立てられるだろう。

そのPRのために必要なのが、ランウェイ企画である。映像で蔵コレを実際にアレンジして現代風に着ている人々がランウェイをモデル歩きするPVを撮って、アレンジを楽しむ様子を流すのだ。ランウェイは地元の神社の参道や公園などを使わせてもらっても面白いし、地域振興の手段にもなるかもしれない。日本語を極力入れず、誰でもわかるようなイメージで撮影し、あわよくばスポンサーがつけばいいなと思っている。日本においても、買うのはちょっと苦しいけどレンタルしたいというニーズもあるので、「蔵コレンタル」というのを試験的に始めてみた。 ちなみに、こう言った活動は差し引きするとほぼお金になってないので、リノベーションと合わせてプロジェクト化するにあたり資金を少額ずつ募る「蔵ファン(クラウドファンディング)」というのを考えている。いちいちネーミングの語呂がよくて天才だろうか笑。メンバーさんには、蔵コレンタル自由とか、レンタル期間が終われば好きなものを一つプレゼントするとか、写真撮影をするとか、還元するものも蔵コレにちなんだものにしたい。というわけで、私は映像制作ソフトの勉強を始めている。

今までのところの学びと成果

ともかく、元々あったものについてはやっとここまで綺麗になったので、今は第二、第三の場所の服たちをここに運び込んで仕分けやメンテナンスの作業場としている。

<具体的な片付けの仕方は是非こちらもご覧ください!>
住みよいお家プロジェクト<物置の古い世代の不要衣類を目的別に断捨離・換金する方法>

今現在も、これら以外にも大量の石鹸や、大量のカビついた未使用ふきん、大量の重たい折り畳み傘など、日々お題をもらうような感じで試行錯誤している。
皆さんも是非この機会にチャレンジしてみてはいかがだろうか。物に対する観察眼と価値観が変わるかもしれない。そして単に買取サイトなどで値段交渉される選択肢ばかりではなくて、心が豊かになるような未来につながる循環型の断捨離が模索できるかもしれない。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
関連記事
error: Content is protected !!