2016-06-08

【2016.5ウイグル】砂漠の中心で砂にむせぶ。

文字数ぴったり。

押し黙っていても、気づけば口の中がジャリジャリ。

誰かさんのカメラはレンズが戻らなくなり故障。

やつらは鳴り止まぬ突風の中、一斉に襲ってくる。

足元を掬うだけでなく、隙間という隙間から音もなく侵入し、喉潰し鼻潰し目潰しレンズ潰しをして、青空トイレを探すこともままならない。

それはマスクもゴーグルも、もっと言えば密閉されたバスの窓ガラスでさえ越えてくる。そしてわたしは姑よろしく、窓ガラスのヘリをなぞり指の腹の感触を確かめたあと、バスの中でも静かにコンタクトを外してマスクを装着するのであった。だが同時に誰もが分かってもいた。それが気休めにしかならず、砂漠の洗礼に12時間520km耐えなければならないということを。

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